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香川君の愛媛新聞コラム「道標」掲載 第3回目

香川君の第3回目のコラムが掲載されました。

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 今年出版した絵本では、舞台が空でしたので、鳥を描くのが大変でした。
 例えば、カモは近所の川でよく見る鳥ですが、飛んでいる時の姿は、簡単には捉えられません。いろいろな角度からの写真を探し、いくつかの図鑑類をチェックして、翼を広げた時の模様を調べて描きます。
 鳥が手ごわいのは、オスとメス、夏羽と冬羽、若鳥と成鳥といった要素で、羽色が違うものが多いところです。カモ類などは似た種類も多いので、種類を見分けるポイントがどこかも、チェックして描かなければなりません。
 正確に措くことは大変ですが、よく描けていれば評価されますし、一つの絵からいろいろなことが読み取れるようになるので、本を面白くすることにもつながります。しかし、「正確に表現する」ことが転じて「間違いがないように表現する」ことが先に立ってしまうと、たいてい本は面白くなりません。
 もちろん本の内容に間違いがあれば、読者から指摘を受けることもあります。しかし、聞達いを恐れ、クレームが来ないようにと意識し過ぎると、思考が「難しいものは避けよう」といった守りの方向に流れがちです。そうなると、本に勢いがなくなり、読者に訴える力も弱くなると思うのです。
 聞達いがないかどうかチェックするのは仕上げの仕事です。基本の発想の部分では、間違いを恐れない積極性が重要でしょう。
 僕の絵本も、あくまで面白いクイズなどで楽しむことが第一目的です。内容を考えるときには、細かいことは気にせず、「鳥をこう配置したら楽しい迷路になるのでは」 「こんなポーズの鳥を組み合わせたら、面白い隠し絵になるのでは」といったことから考え始めるようにしています。その後で、そのポーズの鳥を描くための資料を集め、そのポーズが不自然ではないかをチェックして、正確に表現する努力をするのです。
 本に限らず、商品開発などいろいろなものづくりでは、間遵いを防ぐ安全性と同時に、積極的なアイデアが必要でしょう。
 愛媛県では近年、ユニークな食べ物や、新しい商品が登場して全国的にも注目され、愛媛出身者としてはうれしい限りです。いい意味で田舎である愛媛には、面白いものを生み出す力が強いのではないでしょうか。
 ぜひ、大胆な発想で、日本に活力を与えていただきたいと思います。

by tonton53kai | 2012-05-21 21:28 | ◎ 同期の活躍  

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